第1章 今日も夢を見る
「ええええ!!は今土方さんの家に住んでるんですか!?」
明くる日
試衛館の掃き掃除をしていた宗次郎は箒を落とす。
「そうなの!楽しいよ!」
「あの人嫌いです」
「仲直りしたんでしょ?歳はいい人だよ。面倒見がいいしね」
「そこが嫌なんです」
「仲良くなるよ」
「えぇ…?」
ジロッと大きな眼で睨まれるとは苦笑した。
所変わり…
「引き取った?ちゃんを?いつ?」
「しつこい!昨日の騒動のあとだ!」
「犬猫じゃあるまいし…」
「もう兄貴から同じ台詞聞いた」
「…嫁ってことか?」
「そうじゃねえ」
「じゃあなんだ?」
「わかんねぇよ!つまり!…あーわかんねぇ…」
「もう武家の女には手を出せねぇな?」
「勝っちゃん…ここに剣術しに来るから入れてくれ」
「あんなに嫌がってたのに!?人生何があるかわからないもんだな?」
土方さん!!!近藤さん!!!!
宗次郎の悲鳴が響く。
二人は何事だとバタバタ廊下をかけた。
「なんだ?!」
「が倒れた!」
そこには眠りにつくがいた。
「あぁ…宗次郎は初めて見たのか?」
歳三は彼女を慣れた手つきで抱えると縁側に寝かせる。
「ここら辺では夢見の巫女と呼ばれてる。時々こうして未来を夢に見るんだよ。こうなったらなかなか起きねぇから、安全な場所で目が覚めるまで寝かせてやれ。…とお前にはまだ運べねぇか!!はっはっは!」
歳はけらけら笑った。
小さな少年宗次郎は「やっぱり嫌いです」と彼を睨んだ。