第2章 屯所
「どないすればいいんや」
「なにもしないで。調査をやめて。今日は出掛けないでここにいて」
「未来の俺はどうしくじった」
「くノ一がいるの。彼女は速く、強く、美しい。彼女にやられて後始末を歩がしようとする。そして拷問の末に殺されるわ。くノ一は吉田に雇われてる。彼女の正体は…また今度にしよう」
「なんもかんも聞かせぇや。」
「知りすぎてはいけない」
「まぁ…粗方証拠は集まったさかい、今日行くな言われていかんぐらいできるけど、行かんかったらあいつは助かるんやな?」
「《お姉さん》。《あいつ》じゃない」
「なんべんもいっとるやろ。そういう関係やないんや」
「丞、絶対に今日の夜出掛けてはいけない」
チリーンと の髪の毛に付いてる鈴が鳴ったと思うと
座って部屋の襖を静かに引くところだった
「未来を知りすぎたら、どうなるんや」
何気ない疑問だった
なにも考えずに尋ねた。
「息をするのも嫌になる」
にこりと微笑んで答えた彼女の瞳は暗く染まり
聞いてはいけない質問だったと
すまなさで一杯になる
「耳を傾けてくれる人がいなければ、只の夢よ」
そっと部屋を後にする。