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夢見の巫女

第1章 今日も夢を見る




試衛館は日ごとに人が増えていった


道場に集まる彼らが不思議そうに見つめるのは

場にそぐわない、少女の存在だった。



彼女はいつも土方歳三の後ろについて回り


剣術を学んでいるわけでもない。



何をするかと思えば土方の腕のなかで眠る様子を良く見る。


縁側や道場でも良く眠っている。


土方が常について回るので誰も彼女が何故ここにいるかは聞かなかった。









「歳、会合だ。」



「勝っちゃん。は今寝たとこだ。どうする?」



「には夢を見ればわかることだ。連れてきてくれまいか。起きたら意見を聞こうじゃないか」




「おー」


















幕府は有志を募っている



我々も手助けを



長州 薩摩


徳川を支える







「新撰組…」




「おっ、起きたか?」



「これ新撰組の発起よね?」



「新撰組?そいつは良い名だな!未来では俺たちはそう名乗ってるのか!」


近藤は笑顔で語らう。







「良い方向にはいかない。」



「なんだって?」



「新撰組は良い方向に向かわない。それでも…江戸に登る?歳もそれで良いの?」



「武士になれる。名を上げて徳川に遣えていれば良い方向に向く。徳川幕府は長いし大丈夫だ。」





「…うん」





良い方向に行けばいいんだけど



ここ最近では…


夢では…




でもそれは伝えられなかった。あまりにも壮絶すぎる。








夢が変わることを願って…



「私も一緒に登る」





「勿論だ!」



歳三は笑ってうなずいた。
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