第1章 今日も夢を見る
夢見ってのはすげぇ存在だ
のいった通り…犯人はお縄に
宗次郎も無事だ。
これもあいつがいった通りだったが
俺には真剣を握る覚悟がねぇ…
あぁあ…強くなりたい
もっと
もっと
泥塗れ血塗れで朝方家につくと
夢見の巫女が眠っていた。
毎日毎日彼女の夢見を求めて
多くの参拝。
そのお告げをいつも銭払わねぇで聞くのも罰当たりなもんだが
俺にはこれしかできない
「またも当たったな」
絹のような長い髪の毛に指を通すと歳三は優しく笑顔を見せた
「ありがとよ」
数刻歳三とは眠りについたが
昼時に目が覚めた男は
相も変わらず眠る幼馴染みを尻目に風呂へと向かった。
「強くならねぇと」
あいつのことは俺が守らねぇと
「歳三」
「おぶっ!!」
いきなり開いた扉。
歳三はびっくりして何が起こったかも確認せず湯船に隠れた。
風呂場ではが頭をこてんと傾げて
風呂桶を見つめていた。
「なななななんでぇ…?!起きたのか?!」
「…やな夢見たの」
「へー…どんな?」
「それはまだ言えない…でも辛くて苦しい夢。宗次郎も…歳も…近藤さんも…あと他のみんな。暗い夢なの。ただの夢じゃないのはわかってる。これは未来、もう変えられない未来なの…」
新撰組といわれる集団の夢
総司の結核
近藤さんの亡き姿
歳は五稜郭で
数年で未来はこんなに変わるのだ
でと未来を変えるのは難しい
「もうやだよ、こんな辛いのもうやだよ…」
はほろほほ涙を流し始めたので
歳三も苦しくなって手拭いを腰に巻くと湯船から上がる。
隣に座り込むと頭に手を置いてやった。
「大丈夫だ」
大丈夫
俺は強くなるから
ぜってぇに
それがの夢を現実にする一歩だとは
思いもよらなかった。