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《文スト》こんぺいとう

第1章 月が綺麗だと嗤えば《中也》




『私、つい夜景にばっかり気をとられちゃうんですけど、月も綺麗なんだなって』



慌てて付け足すと、中也さんはそういう事かよ、と何故だかため息をついた。



「そうだな、確かに月が綺麗だ」




朝日色の髪の毛を揺らして、中也さんはいつもよりも優しげな笑みを見せた。



だから私も、つられて笑う。






それだけで幸せすぎて、どうしようもなくて、また少し先を駆け出した。






猫の爪痕が、私たちを見下ろしていた。






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