第4章 第4章 「お前の朝ごはんを毎日…」《織田作》
『突然すぎるんですよ!まだ鯖の味噌煮作ってるときに今夜は外に食べに行こうと言われる方がマシです!』
「そ、そんなだろうか」
『そんなです!』
「……じゃあ、その、返事は」
『あなたを幸せにするので、わたしも幸せにしてください』
これで、伝わっただろうか。
ちらり。
そっと顔をうかがってみる。
「……ああ」
鼓膜に、柔らかく彼の声が響く。
わたしは抱き締められていて、ゆっくりとその背中に腕を回して。
「幸せに、させてくれ」
窓の外では、ゆるやかに空が暮れてゆく。
わたしは返事をする代わりに、彼のからだにもたれかかった。
彼はとても綺麗に、微笑んだ。
fin.