第4章 入団式
昼食を済まし軽く皆に別れの挨拶をした私は、少し早めに集合場所となっていた馬小屋へ向かった。
旧調査兵団本部までは馬で移動すると団長が言っていた。
まだ誰も来ていない様子だ。
目に付いた馬を軽く撫でる。
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「あ、あの子じゃない?新しく入った腕の立つ女の子!」
「ペトラ、そいつが俺に惚れたらどうしよう、とか思ってんじゃねえだろうな…。いい加減女房気取りは辞めろ。俺の女になりたいのならガッ…!!」
「もう!前見て歩かないからそうなるのよ。あと…その喋り方ホントに辞めてくれない?似てると思ってやってるんだろうけど全く似てないから。」
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馬を撫でる手を止め声のする方へ向くと、
リヴァイ班らしき男性が何かにつまずいてしゃがみ込む瞬間が見えた。
慌ててその人に駆け寄り声を掛ける。
「大丈夫ですかっ?血が出てます!」
しゃがんでポケットからハンカチを取り出し、口から血が出ている男性に手渡す。
「新しくリヴァイ班に入ったなな、だよね?私の名前はペトラ!よろしくね。この人は…気にしないでいいよ。」
「あ、はいっ!ペトラさん、こちらこそよろしくお願いします。」
この明るい女の人がペトラ・ラル…。
巨人討伐数10体、討伐補佐数48体。
リヴァイ班に入る為に色々な人に聞き込み頭に叩き込んでは来たが、思ったよりも小柄で、何より可愛い。
「す、すまねぇ…。」
ハンカチを受け取った男性、オルオ・ボザド。
巨人討伐数39体、討伐補佐数9体。
舌を良く噛む習性があるらしいが、噂は本当だったようだ。
そして金髪の副リーダー的存在、エルド・ジン。
真面目な性格で無駄口の少ない、と噂のグンタ・シュルツがすぐ後ろからやって来た。
「君がななか?…想像と違うな。」
グンタさんが真面目な顔で私を見つめている。
「あぁ、何て言うか…かわい」
「てめぇら、無駄口を叩く前に馬の世話は済んだのか?」
皆が一斉に後ろを振り向く。
『へ、兵長!!!!』