第4章 入団式
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広場にズラズラと兵士達が集まってくる。
ざっと200人くらいだろうか。
解散式の時は軽く300人は居ただろう。
たった一度の惨事でこれだけの訓練兵が減ったと言う事だ。
調査兵団に所属するつもりで居た兵士も、この状態を見ても尚、揺るがない決心があるだろうか。
そして俺は、この中で何人の調査兵を勧誘する事が出来るだろうか。
そう思う中、憲兵団の演説が始まった。
「上位10人の様な力のある兵士が王には必要だ。是非とも10人には憲兵団に所属して貰いたい。共に壁内での悪事や法律を裁き、王への忠誠を………」
生温い。さすが憲兵団だな。
フッと笑いが込み上げてくる。
「エルヴィン。その気色わりぃ顔になる気持ちは充分に分かるが、勝算はあるんだろうな。」
近くに居たリヴァイが壁を背もたれにして問い掛けてくる。
「リヴァイ、気色の悪いは余計だ。あぁ、充分に戦えるよ。」
駐屯兵団の演説も終わり、自分の番が回ってくる。
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「私は調査兵団団体、エルヴィン・スミスだ。
所属兵団を選択する本日、私が話すのは
率直に言えば調査兵団への勧誘だ。
今回の巨人の襲撃により諸君らは既に
巨人の恐怖も、己の力の限界も知ってしまった事だろう。
……しかし、この戦いで人類はこれまでに無いほど勝利へと前進した!」
口にしない方が賢明か。
いや、それでは何も変わらない。
「エレン・イェーガーの存在だ。
そして上位10人の中で、既に調査兵団特別組織の主力部隊に入団している者もいる。
その者は今回の戦いで、巨人を20体近く討伐している。」
広場がザワつく。
「20体?!」
「誰だよ…ミカサか?」
「もうリヴァイ班に所属してるって事?」
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「そして一ヶ月後には、今期の新兵にも壁外調査を行って貰う。
我々は、隠された巨人の実態を握る為、シガンシナ区の地下室を目指す。」
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「この惨状を知った上でも尚
自分の命を賭してもやるという者はこの場に残ってくれ。
自分に聞いてみてくれ。
人類の為に、心臓を捧げる事が出来るのかを…!!
……以上だ。他の兵団の志願者は解散したまえ。」