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貴方の甘い残酷な愛〖進撃の巨人 リヴァイ〗

第3章 調査兵入団前夜の事件






それを見たもう1人の男が急いで外へ逃げ出そうとする。が、兵長はそれを逃さない。


男の首元を持ち上げたまま、逃げ出そうとする男の背中を勢い良く脚で蹴る。



「うわぁあ!!」



男は背中を蹴られた衝撃で顔から派手に転けてしまった。

どこかの骨が折れていてもおかしくないだろう。


見張り番の男は、放り投げられた衝撃で既に気を失っている様だ。



リヴァイ兵長の鋭い瞳がこちらに向きそうになる。


この情けない格好を見られたくなかった私はすぐに身を縮め、私だと気付かれない様に下を俯く。


「…おい、俺の部下に何してくれてやがる。」



あっさりと気付かれてしまった。



「…ゴホッゴホッ!」



首元を押さえ付けていた男を乱暴に放り投げ
息苦しそうに悶える男の腹を躊躇する事無く蹴り続けている。


気を失っていた見張り番にも、顔色一つ変えず冷酷に殴る、蹴るの繰り返し。


この人が私の、班長になる人…。人類最強の男…。



………



止めないとっ!

そう思った時には既に、3人の男達は気を失っていた。


「チッ。汚ねぇな…。」


そう言いながら自身のジャケットを脱ぎ出し、先程までとは打って変わった態度で私に優しく被せてくれた。


良い香りに包まれ、安堵した私はまた涙が溢れ出てくる。


"俺の部下"


その言葉が嬉しくて、
まだ温かさが残るジャケットを強く握った。



「立てるか。」


「ッ…はい…。で、でも…こんな姿では…。」


かなりビリビリに破かれている服から覗く肌は、借りたジャケットを宛てがっても隠し切れていない。



外にもし同期達が居たら、何があったのかと問い詰められるかもしれない…。


今は夕方だろうか。


夜中までここに居たら人通りも少なくなっている筈だ。


でも…こんな場所に長居したくない…。


下を俯き、ジャケットをギュッと抱き締める。


その時だった。


唯一の命綱のジャケットを取り上げられてしまい、顔が一気に熱くなる。


「あ、あのっ…それっ、貸して下さい…。」


肌を隠しながらそれを取り返そうと必死に踠く。



が、兵長はそれを出来るだけ肌が見えないように胸から太股まで綺麗に被せ直し、軽々しく私を抱き抱えた。



「仕方ねぇ…少しの間辛抱しろ。」






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