第3章 調査兵入団前夜の事件
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これがエレン達が言ってた事なのかな…。
"一人でウロウロするな"
"ななは鈍感だ。もう少し気を付けた方がいい"
エレン達の言葉が何度も頭の中で蘇り、後悔を繰り返す。
私が言われた通りにちゃんとしていれば…
こんな事にはならずに済んだのに。
何粒もの涙が溢れ出ては地面にシミを作った。
上の服に次ぎ、スカートを破く音が倉庫に響く。
上下ともほぼ下着姿にされた私の体を
まじまじと見つめる男達。
「もう違う女抱けねぇぞこれ…。」
「ッ早くヤろうぜ!」
ガコッ
何か外で音がする…。
エレン…な訳無いよね…。
男達の仲間かもしれない。
ドンッ!!
「グエッ!!」
その瞬間、倉庫に外の明かりが入り込むと同時に
男が投げられた様な音が聞こえ、
期待が膨らんだ私は扉の方に眩む目を向ける。
誰かが立っている、が、外の光が邪魔をして
その男を影にしている。
「随分楽しそうじゃねぇか。これがお前らの言う"掃除"か?」
低く鋭い声。落ち着く声だ。
「あ?!誰だ?!」
2人の男が手を止め、腕で目を庇いながら光の指す方に視線を向けようとした。
その瞬間、私の太股に跨っていた男達の重さが消えた。
「ガッ!!」
「その割には随分片付いてねぇ様だが…?」
私はこの声を聞いた事がある。
「ぎゃあっ!!」
破かれている衣服を拾って一生懸命体に宛てがい、上半身を起こす。
3人の男達より鋭く低い声のした方に目が向いてしまう。
「リヴァイ…兵長…。」
そう私が呟くと、男達がビックリした顔で口を開いた。
「まさか?!リ、リヴァイ兵長?!こ、これは、そのっ…この女が倉庫の片付けを手伝うって言ったんでッ!!」
「そ、そうなんですよ兵長!!」
鬱陶しそうに服の汚れを叩き終わると
舌打ちしながら男の方を睨む。
「ひっ!!」
「そんな大層な事をしていた様には見えねぇがな。」
そう言い終わると、腰を抜かしている男達の方へ歩き出した。
「クッ、クソッ!」
リヴァイ兵長に殴り掛かろうと1人の男が必死に拳を振り翳してみるが、それを避け軽々しく男を持ち上げてしまう。
「ぐ…ぐる、じっ…」