第3章 調査兵入団前夜の事件
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「リヴァイ、入るよ〜!」
先程審議が終わった俺はエレンと余談をしていた。
「何だ…。」
毎度の事だが、ノックもせずズケズケと入ってくるクソメガネの神経は大層な物だろうな。
「あぁ、エレン達の友人でもあるんだよね。さっきななにリヴァイの班に入るよう伝えたら、物凄く喜んでいたよ〜!」
「えっ?!アイツもリヴァイ班なんですか?!」
明らかに喜んでいるエレンに苛立ちを覚える。
「おい、遊びじゃねぇ。さっきも言ったが、俺達はいつでもお前を殺せる。その貴重な人材が増えただけだ。」
「すっ、すみません!」
冷や汗をかきながら謝るガキに少し言い過ぎたかと思い、舌打ちする。
「…まぁいい。明日は旧調査兵団本部へ向かう。ななも居るだろうが、浮かれてハメだけは外すんじゃねぇ、分かったな。」
「はっ、はい!!」
「まぁまぁリヴァイ。あ!それとエレン、ななは明日の入団式に一応参加するけど、エレンは参加出来ないみたいなんだ…。ゴメンね。」
「い、いえ!周囲の目もありますし、俺も最初から調査兵団に入るって決めてたんで!」
「そっか!そう言ってくれると嬉しいよ!で、でさぁエレン…もし良かったらなんだけどぉ〜…。巨人になった時の事とか詳しく…。」
ガタッ
「あれ?リヴァイ、どこか行くの?」
ソファから立ち上がり出て行こうとすると、もう既に興奮した状態のクソメガネが俺に問い質してきた。
「ガキ共の新しい兵服が無ぇと入団も糞もねぇからな。」
適当に言い訳を作り、その部屋を後にする。
アイツの話にいちいち付き合っていたら、命がいくつあっても足りねぇ。
本音を言うとその辺の奴らに兵服を2着頼みたい所だが。
エルヴィンが内密に頼むと言っていたな…。
言ってしまった以上俺が動くしかねぇ様だ。
めんどくせぇ…
そう思い、自室に向かっていた足を止め、倉庫の方へ引き返す。
倉庫が見えてくると、
そこにはいつも居ない筈の見張りが居る事に気付いた。
その男に近付く。
「おい。」
「ヒィッ!!」
巨人でも見たかのようなビビり方をしやがる兵士に苛立ちを覚える。
「あ?何突っ立っていやがる。そこをどけ。」
「…い、今は!掃除中で、入れないんです!!」