第2章 調査兵団への勧誘
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困惑した私にもう1度エルヴィン団長が優しく教えてくれた。
団長の聞く話によると、巨人に食べられた筈のエレンが巨人と化した事。
そして本部周辺の巨人を次々と倒し、ガスと刃を補給出来ずに居た仲間の窮地を救った事。
それでも人間側だと信用しない駐屯兵団がエレン、ミカサ、アルミンを詰門した事。
それに対しアルミンが提案したトロスト区奪還作戦をピクシス司令が実行し、巨人化したエレンは前門付近の大岩を見事に持ち上げ、壁の穴を塞ぐ事に成功したと。
そして先程、中央政府による審議が決定し、エレンは調査兵団の中で最も特別な組織、
通称"リヴァイ班"に所属する事になったらしい。
気を失っていた間に、そんな重要な事が次々と起こっていたとは…。
「そして、君に話がある。」
エルヴィン団長が真剣な顔で私を見据える。
「何でしょうか…?」
「まだ所属兵団を決める時では無いが、君に調査兵団に入り、リヴァイ班に所属して欲しい。」
ビックリし過ぎた私は言葉が詰まる。
調査兵団に入るのは最初から決まっていたが、まさかこんな私に団長が直々に勧誘してくれるとは思ってもいなかった。
「私は最初から人類に心臓を捧げるつもりで訓練して来ました…。光栄すぎて倒れそうですっ…。」
エルヴィン団長はフッと微笑み、私の頭を優しく撫でた。
「そうか…。頼もしい限りだ。」
「ようこそ調査兵団へ!なな、これからよろしくね〜!」
ハンジさんもニカッと笑い、私にピースをしてくる。
「はいっ…こちらこそ、よろしくお願いしますっ!」
目の奥が熱くなり、涙が出そうになった私はそれを悟られない様に深々と頭を下げた。