第1章 雪降る日
遠くからでも分かる、金色の瞳が驚きで見開かれ、少女を捉える。
男は笑みを浮かべ、少女へと近づく。
「あ、あの…」
?「やぁ、目が覚めたか。すぐに動けるとは、驚いた」
男はニッコリと、屈託のない笑顔を少女に向ける。
?「俺は鶴丸国永。国永が打った刀の付喪神だ。よろしくな」
「刀…付喪神…?神様、なの…?」
鶴丸「あぁ、そうさ。君の名前も教えてくれよ」
「…私…私は…神無(かんな)。神が無いって書いて、神無」
鶴丸「神無か!ははっ!神が無いなんて、随分な無神論者なんだな、君の名付け親は!」
「…それより…あの、あなたが私を助けてくれたの?」
鶴丸「あぁ。散歩してたら君が倒れてて、驚いたな」
「…助けてくれて…ありがとう…」
鶴丸は笑って、神無の頭を撫でる。
鶴丸「無事で何より。なんたって君は今からこの本丸の審神者なんだからな!」
「え…と…審神者って…なに…?」
何も知らない少女、神無に鶴丸は審神者のこと、本丸のことを説明する。