• テキストサイズ

私の神様

第1章 雪降る日


ーーーチリン……



鈴の音が響く。

小さく、だがしっかりと、その音色が響く。

少女はその音色に誘われるように、目を覚ます。

(ここは…)

とても良い香りのする見慣れない和室に敷かれた布団に、少女は寝かされていた。

少女はキョロキョロと周りを見渡し、ここは誰かの家で、その誰かに自分は助けられたのだと理解する。

家主を探すため、部屋を出る。

(立派な家…)

この家は随分広く、少女の足ではなかなか全ての部屋には周れなかった。

少女は歩き疲れ、中庭に繋がる廊下に座り込む。

(誰もいない…出かけているのかしら…)

外は雪が積もり、白銀の世界が広がっている。

少女はぼんやりと、しんしんと降る雪を眺める。

ふと、中庭に作られた雪だるまに目をやる。

そこで、なにかが動いていた。

「え…?誰か…いるの…?」

少女は目を凝らし、声をかける。

「あの…!誰かいるの…!?」

その後ろ姿は、真っ白な装束を着た、真っ白な男だった。
/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp