第2章 新たな主
20分後。
ユキは仕事を中断し、鍛刀部屋を訪れる。
部屋に入ると、ちょうど顕現したばかりの男士がニコリと微笑んだ。
薬研「よぉ大将。俺っち、薬研藤四郎だ。兄弟ともども、よろしく頼むぜ」
「…こんにちは。私、この本丸の2代目主。名前はユキ。よろしくね」
普段の無表情で自己紹介をし、まじまじと薬研を見る。
自分よりも背の低い、華奢な少年。
そんな印象を持ちながら足先から頭のてっぺんまで見ていると、薬研はズイッと顔を近づける。
薬研「たーいしょ。なぁにそんなに見てるんだ?」
「…いや…大人の姿で出てくるのを想像していたから、少し驚いて…」
薬研「あ〜、短刀は小回りがきくように出来てるからなぁ。ま、こんななりでもちゃんと任務はこなすから、安心してくれよ」
「えぇ、頼りにしているわ。今、案内役を呼ぶから、少し待っていて」
ユキは鶴丸を呼び、薬研に本丸内を案内するように言うと、審神者部屋へと戻っていった。