第1章 first summer
リドルにからかわれ、わーん!と地面にひれ伏し、再び泣きだす。
収まりかけた涙が再び滝に。
「いや、答えなきゃいーじゃん」
「話しかけられたら答えちゃうよ!」
「いや。てかそもそも君、ボクがいなくてもそこらの虫とか動物とか話しかけるじゃん?一緒じゃない?」
「そ、そそそれとこれとは……!!!」
「いや、一緒だから。」
、完敗。
がくん、と首を落として負けを認めた。
よしよし、と頭を撫でるリドルになされるがままになっていると突然上から音がした。
<b>バキバキッ!!!</b>
「おわっ!!??」
「…へ?」
<b>ガガガガガ!!!</b>
<b>ゴンッ</b>
<b>ドサッ</b>
お、イケメンが降ってきた。等とリドルが呑気に腕組みをしている先には黒髪の少年。
「い、いって~~~」
落ちてきた衝撃で打ったのか、頭を抱える仕草を見せる少年に上から声が掛かる。
「おーい、シリウス?大丈夫かーい?」
「お…おーう。別に怪我とかはしてねぇよ」
「それはよかった!ボクも今下に降りるねー」
温室の天井にぽっかりあいた穴。
そこから覗きこむように姿を現したのはくしゃくしゃなくしゃくしゃとした髪と好奇心いっぱいのハシバミ色の瞳が印象的な少年。
くるんっと一回転して華麗に着地。
王子のようなポーズを決める余裕もあるようで、相当運動神経がいいらしいことが伺える。
「いやー、びっくりしたよ。イキナリ視界からいなくなったからさー」
「俺だって焦ったわ。っつーかあれどうするよ?骨組み折れてるけど」
「まぁ直せないこともないけど、面倒だねー」
「…逃げるか」
「さすが親友。ボクもちょうどそう提案しようと思っていたところさ!」
いえーい、とグーパンチを軽く合わせる二人。
どうやら仲良しのようだ。