第4章 上司の回顧と再会
それから暫く、の部隊とサカズキの部隊の遠征が決まった。まだ復旧も終わりきってないのに何故、と思わなくもなかった。の血筋がバレたか、とも思ったがあの時あの場にいたのは俺とだけ。ガープさんが話すわけもない。杞憂に終わればいいが…。
残念ながら俺の願いは叶わず、との部下数名は死亡した。白ひげ傘下の生き残りと遭遇し、戦闘になった際に激しい戦闘と悪化した天候により負傷したまま海に投げ出され行方不明になったらしい。
報告を聞いた俺はガープさんの顔がみられなかった。
「お前に元帥は向いとらん!危険因子を育ておって、部下を見る目も腐っちょる!!」
「!?……っ、サカズキ!!テメェ!!」
パンクハザード、元々サカズキが元帥になることだけは反対だった。別に自分が元帥になりたいわけではない。だが、この男が元帥の座につくのだけは許せなかった。
やはりそうだ、睨んだ通りだった。
あいつは、は確かに海兵だった。血筋が絶対的に罪とは俺には言い切れない。いい部下だった、可愛い部下だった。あいつの正義は本物だった。
きっと弟と同じようにサカズキの能力にやられたに違いなかった。こいつの能力で簡単に人は死ぬ。
*
キャメルと共にたまたま立ち寄った島に海を見渡せる良い高台があった。ここからの景色をツマミに飲む酒もいいもんだ、と穏やかな気分でいた。
「瓶ごと酒を煽るなんて、行儀悪くないですか?」
聞き覚えのある声だった。2年ぶりに聞く声だった。まさか、いやそんなまさか、幽霊か?なんて馬鹿な考えを抱いて恐る恐る後ろを振り返る。思わず足元から確認してしまった。
「何ですかその顔。幽霊でも見たみたいな」