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【ONE PIECE】冬来りなば春遠からじ

第4章 上司の回顧と再会


クザンがと出会ったのは彼女が齢10の時。上司であるガープに連れらて海軍本部に足を踏み入れた時。その時既に彼女の心は決まっていた。

「わしの孫のじゃ!可愛かろう?」
「はっ?孫?まじすか似てね~」
「なんじゃと!?」
「血は繋がってないです」
「これ!!」

血の繋がっていないらしい2人は対極的に見えた。ガープさんは相変わらず豪快で快活だったが、孫というは物静かで表情は全くと言っていいほど動かなかった。綺麗な顔をしているだけに人形のようであった。まだ10歳だというのに、子供らしくない子供であった。
生い立ちが相当暗いのかと思ったし、血の繋がりがないというのだからきっと孤児だろうと思っていた。
はガープさんの推薦で海軍に入隊し、その年ではあり得ないほどの戦闘センスを見せていた。海軍の爺たちは将来有望だと笑っていたが、ガープさんの目は厳しく、鍛錬においてはこちらがドン引くくらいには激しいものだった。
はそのままメキメキと頭角を現し、すぐに将校まで上り詰めた。掲げた正義は「仁こそ正義」正直綺麗事を、と思った俺は海兵として失格なのかもしれない。しかしの正義は、青臭い理想ではあった。
は掲げた正義をきっちりこなしていた。犯罪者の取り締まりよりも人命救助を優先し、部下と衝突することもあったようだが彼女の真摯な姿勢に心動かされたらしい。
は、ただ真っ直ぐな海兵だった。世界の理不尽さを知っていて尚、綺麗事をと一蹴されるような正義を背負っていた。弱者に手を差し伸べる、立派な海兵であり正しい海兵だった。

「辞表?こんなもん書いてきてどうしたのよ」

が渡してきたのは辞表、と書かれた紙。背の高い俺からはやや俯いているの表情は伺えない。
戦争が終結して数日、海軍は慌ただしく職務に追われていた。まだ落ち着いたとは言えない今日、なぜこのタイミングで辞表なのか。
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