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【ONE PIECE】冬来りなば春遠からじ

第3章 弟の懺悔と初恋



「私、エースにお姉ちゃんらしいことなにもできながった、こんなっ、こんなことになるんだったら、もっど一緒にいてあげればよがっだっ!!」

の言葉に胸が締め付けられる。が一体、何を思ってエースに厳しく接していたのかあの日、聞いてしまったからだ。遣る瀬無い、彼女の胸の痛みなんて俺には計り知れない。
悲痛で歪む表情が、後悔してもしきれないの言葉に、涙に、胸が張り裂けそうだった。

「俺はあんたほど不器用に弟を愛し続けた姉なんか知らねえし見たことない。エースにも伝わってるよ。…何度でも言うよ、姉ちゃん、生きててくれてありがとう」
「…う"っ、うぅ、」

エースは確かに意地を張っていた節はある。きっと気づいてる。気を失うまで鍛錬していたが、眼が覚めると必ず施されている治療。あのダダンの家でこんなに綺麗に包帯を巻けるやつなんていなかった。エースは俺より長くあそこにいたんだから、気づかないはずがない。
姉ちゃん、生きててくれてありがとう。俺はを姉と慕っている…慕っていた。好きだ、。この気持ちを、まだあんたには伝えられない。だけど弟としてのこの思いは、嘘偽りのない本心だよ、生きててくれてありがとう。
弟として抱きしめた姉の身体はとても小さく、頼りなく、震えていた。強くてかっこいい姉ちゃんは、本当はこんなにも小さかったのだ。

「サボ……」
「ん?」
「貴方も、生きててくれてありがとう」
「……………おう」

の言葉に少し泣いたのは俺だけの秘密だ。会いに行けなくてごめん。助けに行けなくて、ごめん。こんなにも大好きで、大切だったエースと、ルフィ、のこと、忘れててごめん。でも、また会えてうれしい。あぁ、そうさ、どうしようもなく、嬉しい。
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