第3章 弟の懺悔と初恋
「そうやってすぐキレる短気は直したほうがいいわね?バカがバレるわよ。あぁ、でも海賊ならそれくらいバカの方が救いようがなくていいか」
「ぶっ飛ばす!!」
「エース!」
エースは本当に煽り耐性が低すぎる。何度も何度も、もう何十回と同じようなことをに言われているのに、学ばないというか何というか。一体なぜそこまでに対して意地になるのか。
もだ。実弟なら、というか兄弟ならもっと言葉を選んでもいいだろ。血の繋がらない俺たちより、エースにより厳しすぎるように感じる。
「雑魚ガキが…三流海賊にもなれやしないわ」
「ちく、しょ……」
「さぁて、クソガキ。あとはあんただけ」
「くそっ!」
の冷たい目がオレを射抜く。逃げられない、逃げるつもりもない。の目は雄弁に語っていた。オレたちなんか、海に出てもすぐに死ぬって。出てみなきゃわかんねぇ。でも、将校にすらなってない女海兵のに勝てない俺たちじゃ、たしかに生きていけない。だったら、勝てるまで挑み続けるしかない。
獲物を何も持たず、構えすら取らない余裕を見せるに、サボは鉄パイプを握りしめ駆け出した。