第3章 弟の懺悔と初恋
身体中がいてぇ…。
気が付いたらオレはダダンの家の床に転がっていた。視界の端で自分と同じように床に転がっているルフィとエースの姿も見える。
あぁ、今回もいつも通り三人とも無様に負けたのか。サボは天井をボーっと見上げながらゆっくりと溜息を吐いた。
時はサボが気を失う前、数時間前に遡る。
*
「よう、ガキ共」
不定期にやってくる、オレより6歳上の女。綺麗な見た目に反して性格は凶暴。まさしく鬼。
この女に対してエースもルフィも、勿論オレもいろんな意味で強く出ることができない。
そしてこの女がやって来ることによって始まる地獄の時間。今日こそは、勝つ。
「外に出な。鍛錬の時間だ」
女の名前は。エースの実姉らしい。そして海軍所属の女海兵。性格も身体能力も戦闘能力も鬼。
最初は一対一で挑んでいたとの鍛錬だったが、の煽りに負けたエースがそのルールをぶん投げた。結果、三対一でいまでは落ち着いた。三人でかかってもに一勝もできていないのだが。
ルフィは早々に殴られ投げ飛ばされ気を失って樹の根元で伸びている。既にエースもオレも満身創痍。今日もまた、一撃も入れられずに終わるのか。
「ほんと、何も成長しないね。やる気あるの?」
「うるせぇ!!クッソ、なんでだよ…」
「エース、熱くなりすぎるな」
「わかってる!!」
今日もまた何時もの流れだ…。の煽りに乗っかって頭に血がのぼるエース。動きは単調になっていき、結局に伸される未来が眼に浮かぶ。というか、デジャヴ。