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青一点【BSR】

第1章 選抜試験


「で、だ。これからおめぇらにchallengeしてもらうのは―――」
 政宗が再び喋りはじめたと思うと、聞き慣れない単語が混じっている。
「非常にexcitingな、俺にとってのgameさ」
「えっさい…?」
 よくは聴き取れなかったが、これから自分たちがなんとかする、とてもなんとかな、政宗にとってのなんとかとは何だ?
 雄司も男たちも、何度目かわからない疑問顔を浮かべている。異国語だろうか。全く、ここの者共は少しお遊びが過ぎやしないだろうか。
 知らない言語を交えて説明されても全く意味が伝わらない。雄司は眉間にしわを寄せた。
「政宗様…」
「おっとすまねぇ、つい、な」
 小十郎がたしなめると、政宗は口では謝った。だが反省の色も見せずにやりと笑う。異国語など知らなくて当然であるはずなのに、こんなことも知らないのかとからかわれているような気がして、雄司は少し苛立った。自分も16歳なのでひとの事は言えない気はするが、主君の年が低すぎるのも考えものかもしれない。
「じゃあ、改めて説明するぜ。これからおめぇらに『挑戦』してもらうのは?」
 政宗はもったいぶるように語尾を上げた。
「最高に『楽しい』、俺にとっての『遊戯』さ」
 そして彼は、ある意味凄惨ともいえる笑みを浮かべる。
「わかるか?」
 心から楽しむようであって、無邪気でもあり、嗜虐的でもある笑み。

「つまりは――――――――死合いってことだな」

 にたりと、政宗は見えない電流を部屋中に走らせた。
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