【C翼】若林くんと補習で同じ教室になった件 他【短編】
第2章 ハッピーバースデー2018
道を引き返して歩いていると曲がり角に差し掛かった時に、白い犬を連れて散歩している若林とばったり出会った。
「よお、めずらしいな。もしかしてこの辺に住んでるのか?」
意外な人物に出会ったといわんばかりの少し驚いた表情で若林はドリ子に声をかけた。
当然ながらドリ子はここの地域に住んでいるわけではない。突然現れた若林の存在に心の準備がおいつかず、言い訳もうまい返しもできず、ドリ子は素直に別にこの辺に住んでいないこと、道を変えて若林に会いに来たこと、誕生日を祝いに来たことを伝えた。
「……俺に? ありがとう」
照れくさそうに若林は視線を下に向けて、足下の白い犬をチラッと見た。
「ここで喋るのもなんだし、時間があるなら散歩について来ないか?」
思わぬ申し出にドリ子は即答でついて行くことにした。