【C翼】若林くんと補習で同じ教室になった件 他【短編】
第2章 ハッピーバースデー2018
「これはここで読んでも良いものなのか?」
手紙を渡された若林はほんの少し意地悪そうな顔で聞いてきた。ドリ子は正直恥ずかしいと感じたが、周りに誰かがいるわけでもないし、そこまで大したことが書いてあるかというとそうでもない。読んでもいいと若林にドリ子は伝えた。
「じゃあ開けるぜ」
若林はさっきまでドリ子が抱きしめていたジョンを抱えながら封を開けて、中に入っていたメッセージカードを目で読み始めた。
手紙の中身はラブに近いシンプルなファンレターであった。
手紙を読んだ彼がどんな反応をするのか不安を感じながら、ドリ子は若林の横顔を見た。
若林は何も言わずにジョンを片手で抱きしめながら読み終わった手紙を見つめていた。
「……そっか、ありがとう。嬉しいよ」
なんとなく照れているように見えたが、薄暗い中よくわからない。少なくとも嫌がっているようには見えなかったので、ドリ子は少しほっとした。
「こういう手紙をもらうのは初めてなんだ」
若林がこちらを向いた。
「俺がプロになったら自慢していいぜ」
「ドリ子が俺の一番最初のサポーターだって」
☆おわり☆