第11章 11Qー焦心
真弓さんの横に立ち、挨拶をする黄瀬。
まさかとは思ったが…。
「名前ちんすっごい顔引きつってるよ〜。」
隣で一緒に練習をしていた紫原に、気怠そうな声で指摘される。
「う、うん…。大丈夫。私は大丈夫。」
何故…。
黄瀬は2年生の時に入部するはずだ。
部活動紹介の次の日「バスケ部入ることに決めたッス!」と言われたときも、正直未来は変わらないだろうと思って気にしないでいた。
しかし今黄瀬はここに来た。
漫画にあるはずのない展開。
灰崎祥吾はどうなるんだ…?
確か灰崎は途中入部をして一軍になるはず。
そして彼は黄瀬が入部する前、キセキの世代5人目だった選手。
じゃあ灰崎がレギュラー入りすることは無くなるのか…?
その後の部活は、色々な考えが巡ってしまいあまり集中できなかった。