第10章 10Qー運命論者
『人事を尽くして天命を待つ』
この言葉は、私の人生に置ける教訓である。
私が7歳の時に、大好きなバスケコーチが教えてくれた大切な言葉。
小2の子供からしたらこの言葉は少し難しかったが、私はこの言葉をとても気に入った。
バスケにおいてだけでなく、高校受験の際にもこの教訓を胸に勉学に励んだ。
だから『黒子のバスケ』の連載がジャンプで始まって、自分と同じ教訓を掲げている緑間真太郎が登場したとき、妙な親近感を覚えた。
徹底して人事を尽くす姿勢。
その威厳ある性格にも魅せられた。
この世界に来て、赤司や青峰と比べたら、緑間とは全くと言っていいほど関わりがない。
まあ、少し前の私からしたらたいそうありがたい事なのだが…。
カゴからボールを取り出し、もう一度確かめるようなシュートを打つ緑間を見遣る。
自慢のロングシュートに少しでも欠点があったら、完璧主義の緑間はそれを許さないだろう。
顔には出さないが、きっと緑間はかなり悩んでる。
そんな彼を思うと、何故か『力になりたい。』という気持ちが強くなった。