第8章 8Qー噂のGreenMan
シュッーーー
2人1組でやらなければならないのに、違うコートで黙々とシュート練習をする奴が一人。
綺麗な回転をしながら高く高く上がっていき、まるで吸いつけられるかのようにゴールに入るボール。
そう、キセキの世代No.1シューター
『緑間真太郎』
部活動紹介のときにも思ったが、あやつのシュートは本当にすごい。
まずハーフラインからのシュートが確実に入る人間なんてそうそういないし、あくまでも漫画の中での話だが、高校生になるとオールレンジシューターになってしまうと言うではないか。
本当に恐ろしい奴だ。
確かにためは長いが、綺麗なフォームで打ち、綺麗に入るダイレクトインのシュート。
しかもさっきから全然外していない。
すごい………。
ついつい見入ってしまっていると、視線に気づいたのか緑間がこちらを向いた。
あ、やばい…。
緑間は少し私を見つめた後…
「…フンッ。」
そう言い再びシュート練習を始めてしまった。
え…。私あいつに何かしたっけ…?
ぐるぐると考えていると、何時の間にかボールを持った赤司が私の横に立っていた。