第1章 1Qー水色の
あーやっぱり帝光中は制服が可愛いなーなど考えながら、廊下の角に差し掛かった所で、向こうから走ってきたらしい人物と思いっきりぶつかり転んでしまった。
「…った。」
「…っ!ごめんなさいッス!
大丈夫ッスか!?」
この語尾…。
まさかと思い顔を上げる。
ああ…いきなり黄瀬かよ。
ため息をつきそうになったがなんとか堪える。
「大丈夫です。こちらこそよそ見しててすみませんでした。」
スッと立ち上がりスカートに付いた埃を払いながら、未だ尻餅を付いたまま私を見上げる黄瀬の横を通り過ぎる。
もし…この夢みたいな出来事が現実なら、私は『キセキの世代』とは関わらない。
なぜなら、
あの日もうバスケには関わらないと決めたから。
校内図をくしゃっと握りしめ、教室に向かった。