第8章 8Qー噂のGreenMan
真弓さんのお説教も終わり、まずは基本的なパスやドリブルの練習から。
普通の練習と何ら変わりが無いように思えるが、少し違うところがある。
それは、
『ミス一回につき外周一周』
というペナルティのようなものがあるということ。
例え小さなミスでもカウントされ、真弓さんがミスの数をリストに書き留めていく。
そして最後に合計を出し、部活終了後私たちに伝達される。
ミスが多ければ多いほど帰る時間が遅くなる、という仕組みだ。
真弓さん曰く、自分に極度のプレッシャーをかけることによって、集中力やプレーの精密度を高めることに繋がるらしい。
ちょっとした拷問だな…。
そんなことを思いながらボールを手にして軽くドリブルをつく。
部活動紹介のときを抜きにすると、バスケをしっかりやるのは本当に久しぶりだ。
バスケットボールのザラザラとした表面の触り心地がとても懐かしい。
キュッーーー
バッシュと床が擦れるスキール音。
ドリブルをついたときに響く音。
ボールがゴールの網を通る音。
すべて私の大好きな音。