第8章 8Qー噂のGreenMan
「…ほら。紫原身長高いし有名だから。クラスで誰かが名前言ってて…。」
苦しい言い訳しかできない自分に少し呆れる。
「ふーん。」
ふぅ…。
そうだ。紫原はお菓子とバスケ以外にはなんの興味も示さない。
別に適当なこと言っても気にしないはずだ。
1人で頷きながらストレッチをし出す私に「はやくお菓子ちょーだーい。」と手を出しながら催促してくる紫原。
私はズボンのポケットに手を突っ込み、何かないか探す。
「お菓子は無いけど…飴のゴミならあった。」
そう言って飴が入っていた小さい袋を手渡すと露骨に嫌な顔をされ、「…ゴミ箱じゃないしぃ~…。」と実に勢いの無い突っ込みをされた。
「あれ、違ったの?」
「違うに決まってんじゃ~ん。馬鹿なの~?」
「馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ。」
「はぁ~?馬鹿じゃねーし。」
「じゃあアホ。」
「アホって言う方がアホなんだしぃ。」
「アホじゃないし!」
ゴンッーーー
そんな小学生顔負けのくだらない喧嘩をしていた私と紫原は、真弓さんの愛のあるゲンコツをいただいた。