第8章 8Qー噂のGreenMan
「よっこいしょ。」
ストレッチをするため、集団から離れた所に腰を下ろす。
「名前ちんおばさんっぽーい。」
「なっ…!?」
周りに誰もいないと思って思いっきり年寄り染みた言葉を発してしまっていた。
こんなにデカイ奴に気づかない私もどうかと思うが…。
「驚きすぎ~。てゆーか名前ちん昨日の飴持ってる~?まあお菓子なら何でもいいけどぉ~。」
体育館の床に寝そべりながら私を物欲しそうな顔で見つめる紫原。
何でこいつはくつろいでいるんだ…。
「あれまずいって言ってたじゃん。」
「2個目食べたらなんかもっと食べたいって思ったぁ。
クセになる味ってやつ~?」
「ちょっと…紫原って味音痴…?大丈夫?」
あの飴は私も家に帰って一つ食べてみたが、とてもではないが最後まで食べようとは思えない味だった。
「はぁ?違うし~。てか俺名前教えたっけ~?」
しまった…!
紫原には名前教えてもらってなかったんだった…。