第6章 6Qー黄色の乙女
「なになに?俺の話ッスか?」
黄色い髪をなびかせながら私たちの輪に入ってくる黄瀬涼太。
笑顔が実に胡散臭い。
「き、黄瀬くん!!」
「そうなの!昨日名前に猛アタックしてたでしょ?だから付き合ってるのかなーって!」
猛アタックって…
ただの馴れ馴れしいナルシストチャラ男だろ?
と心の中で罵倒しながら黄瀬を見上げる。
「まだ付き合ってはいないッスけど…、好きッスよ?」
そうそう、好きっ………て…
「「「「「 えっ!? 」」」」」
私を含めた女子5人が全員同じ反応をした。
黄瀬は少し困ったように頬をかきながら「なんか変なこと言ったッスか?」とか抜かしてやがる。
「やっぱそうだったんだーー♪」
「この幸せ者ー!」
全く状況が飲み込めない人間が約一名。
少し頭の中を整理させてくれ。
私はなるべくキセキの世代に関わらない様に生きて行こうって思ってて……
でもそのうちキセキの世代になるであろう黄瀬は私が好き…?
これやっぱ夢なんじゃないの。