第5章 5Qー キムチサワークリームトルネード
体育館までの道を無言で歩く私黒子 名前と赤司征十郎。
何故こんな状況になったのかは、今から数分ほど前…。
放課後になり、今日から部活動の仮入部が始まることもあって早々に教室を出て行く生徒たち。
私はやっぱりバスケ部に行くのが怖くなり、ささっと帰ろうとしたところ赤司に呼び止められた。
「どこに行くんだい?黒子。」
「あっ…すみません。」
そして今に至る。
横目で見るとこちらの視線に気づいた赤司と目が合った。
「前を見ていないと転んでしまうよ。」
真顔で赤司がそう言うもんだから何だか恥ずかしくなって、早歩きで先を行く私。しかしすぐに追いついて来る赤司。
「着いてこないでよ…。」
私がそう言うと
「僕も体育館へ行きたいからね。」
と言いふっと笑った。
そして私の頭を子供をあやすかのようにぽんぽんと撫でる。
私の方が五歳も年上(身体は中学生)なのになんだこの余裕ぶりは。
私は自分の幼さに再び恥ずかしくなり、赤司の手を退けて全速力で体育館へ向かった。