第3章 3Qー始めての温もり
学校に着いて下駄箱から上履きを取り出し履き替える。
教室まで一緒に行くかと思ったが、テツヤは先にすたすたと歩いて行ってしまった。
兄妹で歩くなんて普通恥ずかしいよね。
私は一人っ子だったからその感覚がよくわかんないけど…。
そんなことを思いながら1-Aの教室に着き、扉に手をかける。
ガラッーーーー
「黒子が来たぞ!!!!」
「まじで!?」
「私が先だから!!!」
「いや!俺が!!!」
名前を呼ばれたかと思ったらクラスの十数名が私に突進してくる。
突然のことに私は思わず方向転換をし全速力で走る。
なに!?なんなの!?!?
後ろを見るとまだ追ってくるクラスメイトが。
すると突然何かに当たり視界が真っ暗になったと思ったら………
「…おっと。大丈夫ッスか?」
この語尾………。
恐る恐る顔を上げる。
ああ、また黄瀬かよ。