第17章 17Qー動き出す歯車
「勝った…。」
「くっそ…!」
シャツで汗を拭いながら悔しそうに言った青峰。
1on1は結局私の勝利に終わった。
「次はぜってェ勝つから。」
ベンチに置いてあったバッグにボールを仕舞いながらこちらを恨めしそうに見て言った青峰。
「えー勝てるのー?」
私も鞄を肩に掛け、ニヤニヤしながら青峰を見上げそう言うと、顔を逸らされた。
「…っうるせェ。
もー帰るぞ。」
青峰は私の腕を無理矢理腕を引っ張り公園の外へ行こうとする。
腕が痛いと怒ったら逆ギレされた。
意味がわからない。
私だって一応女の子なのだからもっと優しく扱って欲しい…。
「ねぇ、真太郎と紫原置いてきてるけど。」
ベンチから立ち上がりこちらをボーっと見ている2人の大男を指差しながら言うと、未だ不機嫌の青峰が舌打ちをする。
「元々は俺とお前のデートなんだからいーんだよ。」
「いや、デートじゃないし。」
そう反論すると、またもや舌打ちされた。
機嫌悪すぎだろ!!
負けて悔しいのはわかるけどそんなに不機嫌になることないじゃない。
このまま腕を引っ張られるのは嫌なので、負けたような気もするが仕方なく「なんかごめんね。」と言うと、やっと手を離して「俺も悪かった…。」と罰が悪そうに顔を逸らし言った青峰。
悪いと思うなら最初からやるなよ…。
その突っ込みは心の中に閉まったが、バレない様に青峰を睨んでおいた。