第17章 17Qー動き出す歯車
紫原と真太郎が見ている中、コートに立った青峰と私。
「よっしゃ!かかってこい!」
そう言い腕まくりをしてディフェンスの構えをした私を見て、青峰はふっと笑って言った。
「なんか相撲みてェだな。」
それは私がお相撲さん並みに肥えているという意味なのか…?
失礼極まりないやつだ。
そう反論しようとすると、いきなりドリブルで抜こうをしてきた青峰。
ずるいよと言って、抜かれまいと止めに入る。
青峰は抜けなかったことに舌打ちをしたものの、やはりどこか楽しそうで。
「まあそう簡単に抜けるとは思ってねェよ。」
体勢を整えた青峰は再びドライブ。
それを私が止める。
「萌ちーん、手加減してあげなよ〜。」
そう横のベンチから紫原の声が掛かったが、こんな奴に手加減できるはずがない。
そう思いながらも、強がりたい気質の私は「これでも手加減してるよ。」と紫原にニヤつきながら言うと、青峰に怒られた。