第17章 17Qー動き出す歯車
日も傾きかけた17時35分。
紫原あたりは面倒臭がると思ったが、1on1をやりに行くと言ったら意外にも2人とも付いてきた。
「よくオフの日までバスケ出来るよねぇ〜。」
4人で自宅近くのバスケコートがある公園へ向かう途中、紫原のその言葉に眉を顰めた青峰。
「楽しいんだから当たりめェだろ。
つかオフとか要らねェ〜。」
流石ピュア峰…!
未来のあんたに見せてあげたいよ…。
紫原は益々嫌そうな顔をして本日何本目かわからないまいう棒を開けて食べ始めた。
「…そーゆーの暑苦しすぎでしょ〜。」
ボリボリとお菓子を食べる紫原を突然キッと睨んだ真太郎。
「おい紫原!お前の食べカスが俺の服に付いたのだよ!」
「え〜?ごめんごめん〜。」
私はイライラしている真太郎を横目で見遣ってから前を向いた。
バスケコートはもう十数メートル先にあり、ドリブルの音が地面に響いて聞こえてくることから誰かがバスケをしていることが伺える。
よく目を凝らすと、一つの人影が見えた。