第17章 17Qー動き出す歯車
「ほらよ。」
おしるこを買ってきた真太郎と話していると、お会計を済ませた青峰が私の前にアイスを置いた。
「ありがとう!」
サーティワンのアイスなんて3ヶ月振りくらいに食べる。
スプーンで掬ったアイスをパクり。
口いっぱいに広がるカカオの風味。
幸せだ…。
そしてついつい目が行ってしまうのは5段積み上げられたアイス。
他の2人も例外ではないようで、紫原の前に佇む物体を凝視していた。
「お前5個も食えんの?」
「アイスを5個も頼む奴の気が知れん。」
「最後まで食べないうちに溶けちゃいそう。」
口々に発せられる私達の言葉に口を尖らせた紫原。
「ハァ?馬鹿じゃないしぃ〜溶ける前に全部食うし〜。」
その後黙々と食べ続けた紫原。
「お前の胃袋はどうなっているのだよ!」
真太郎の悲痛な叫びが店内に響き渡ったのは、アイスを食べ始めてから5分後の出来事。