第17章 17Qー動き出す歯車
私達に気づいたようで、クレープを持ったままこちらに手を振って歩いてくる紫原。
「あ〜!名前ちーん。
峰ちんも〜。」
青峰は紫原の手に存在する四つのクレープを見て顔を引きつらせていた。
「…お前何してんだよ。」
「んー?クレープ食べてる〜。」
「それは見ればわかる。」
2人のやり取りを暫く見ていると10mほど先の方で、特徴的な髪色をした人物が店から出てくるのが見えた。
よくよく見てみると、やはりあの人。
「真太郎!」
彼の名前を呼ぶと、少し驚いたような顔をしてこちらを見た。
駆け寄り真太郎が出て来た店を見ると、『西尾骨董店』という看板に、いかにも老舗という雰囲気の建物が建っていた。
確かに休日はよく骨董店に行くと言っていたけど…。
キャラ作りじゃなかったんだね。