第17章 17Qー動き出す歯車
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「わりィ!待たせた。」
現在の時刻14:41。
久しぶりのオフである日曜日、私は駅前広場に立っていた。
「11分遅刻。」
待ち合わせの時刻に遅れたことに怒っているなんて、自分がまるでこいつの彼女みたいではないか。
一瞬でもそんなことを考えてしまった自分が馬鹿らしくなりながらも、目の前に立っている青峰大輝を見上げる。
「いいじゃねェか11分くらい。」
「11分あったら英単語20個覚えられるよ。」
「オフの日まで勉強の話しすんじゃねェよ…。」
その言葉を最後まで聞く前に駅へと足を進めた。
「おい! 待てよ。」
青峰は急いで私を追ってきている様子だったが、もっと速く走ってやった。