第2章 2Qー異名と×××
昔のことを思い出し、自分でも驚くくらい冷めた目で彼らを見つめていることに気づいた。
「はい、じゃあ最後黒子さん!リストには得意プレーが不明ってあるんだけど……。」
「1on1でお願いします。」
相手のプライド傷つけない程度に済ませて早く帰ろう。
嫌なことを思い出させたこの悪夢から早く覚めたい。
1人の部員がボールを持ちながら出てきて、私の前に立つ。
「よろしくな。」
へらっと笑いながらそう言った部員。
「…………。」
なんだこいつは。
やる気がまるでない。ディフェンスの構えは一応しているが全く形になっていない。
私が女だから?
「………すみません。
やっぱり1on5でお願いします。」
部員とマネージャーさんの顔が少し引きつった様に見えた。
少し生意気だったのかもしれない。
「…わかったわ。」
マネージャーの言葉を合図に先ほどのやる気無し男に加え、中々体格の良い部員が4名出て来る。
さっきはプライド傷つけない程度にって思ったけど………
やめた。