第16章 16Qー初めての味は
「…欲しい。」
人のお弁当のおかずを貰うなんて悪いなと思ったが、結局誘惑に負けてしまった私。
あーんってされそうになったので、そんなに子供じゃないよと言ったら渋々私のご飯の上にを乗せてくれた。
時間が経っているのに衣がサクッとしていて、噛んだと同時に肉汁が程よく口の中に広がる。
うまい…!
見返りとして黄瀬のご飯の上に私の生姜焼きを乗せた。
「いいんスか?」
「生姜焼き二枚あげてもいいくらい美味い。」
そう言い親指を立てると、黄瀬は「よかったッス!」と言って生姜焼きを嬉しそうに食べた。
たまにはこういうのも悪くないなと思った昼下がり。