第16章 16Qー初めての味は
「ヒドいんスよ青峰っち!」
「でも青峰ドMだよ。」
「えェ!?そうなんスか!?」
意外と黄瀬との会話は楽しい。
クラスや部活、お仕事のことも面白おかしく話してくれる。
教室と変わらぬ他愛のない会話。
ただ今日は周りの皆が居ないというだけのこと。
でもこうやって屋上で2人きりでお弁当食べながらお話なんて恋人みた…いやいや…。
一瞬頭を掠めた考えをぶんぶんと振り払う。
中学生になんか興味ないし、ましてやあの黄瀬だ。チャラ男黄瀬。
うんうんと頷きながら止まっていたお箸を持つ手を再び動かす。