第16章 16Qー初めての味は
嵐のような黄瀬も去り、落ち着きを取り戻した教室内。
やれやれと思いながら席に着く。
「涼太と抱き合う様な間柄になったのかい?」
私と同様自分の席に着いた赤司にそんなことを聞かれる。
笑って反論しようと後ろを向いたが赤司が無表情で少し怖かったので断念した。
「いやいや…。
それよりお見舞いありがt「おらぁ!!!」
再び赤司に礼を言おうとしたときクラスに響いた怒声。
何かあったのかと思い教室の入り口を見ると堅吾さんと虹村さんが立っていらっしゃった。
なんだ、堅吾さんと虹村さんか…
って…
「…え?」
何故か酷く怒っている堅吾さんとその堅吾さんを抑えている虹村さん。
「名前!!!」
「ど、どどうしたんですか!」
自分が怒りの対象とわかり驚きのあまり席から立てずにその場でどもりながら尋ねる。
「お前こないだマジバ来るっつってたから待ってたのに来ねえしよ!
しかも倒れたってなんだよ!
大丈夫かよ!!」
私の席に近づきながらマシンガンのように話す堅吾さん。
怒っているんだか心配しているんだがわからない…。