第16章 16Qー初めての味は
「うん…。ありがとう。」
そう言って私の首元に顔をうずめる黄瀬の頭を撫でると、周りにヒューヒューと冷やかされる始末。
ほんとに中学生って冷やかしとか好きだよな。
そして私の制服が鼻水と涙でぐちゃぐちゃになりそうなのでそろそろ離れてもらいたい。
ずびずび泣く黄瀬をどうしたもんかと困っていると、冷たいお声がかかった。
「…茶番は済んだかい?」
久しぶりに拝見する赤司の冷淡な笑顔は凄みが増していた。
「…お、おお終わったであります!」
私は謎の敬語を使いながら勢い良く黄瀬から離れる。
また赤司にお説教されるのだけは勘弁だ。
始まったら長いのなんの…。