第2章 2Qー異名と×××
名簿を見ながら私の名前を呼ぶマネージャーさん。
黒子 名前って…。
私…?
いやいやいやいや!!
おかしいでしょ!!
てか私もうバスケやらないし!!
「名前ちゃん!早く前行かないと!」
美祐ちゃんに立たされ背中を押される。
「…わ、私…。」
どうにかしてこの場を逃げ出そうと思い美祐ちゃんを見ると、前を指差した。
行け、ということか…。
ちらっとステージ前を見ると、マネージャーさんがこちらをじっと見ている。
…これはもう行く他ないらしい。
一歩が重い。
みんなの視線が痛い…。
しかもキセキの世代に顔を知られてしまう…。
なるべく顔を髪で隠すようにしながらステージ前へ向かった。
「あなたが………。
よし、じゃあ5人揃ったからみんなに1番得意なプレーを見せてもらいます。じゃあ赤司君から。」
「はい。」
部員からボールを受け取りゆっくりと三回ドリブルをつく。
3Pラインの手前で止まり構えて打つ。ボールは綺麗な弧を描きスパッという気持ちいい音を立てゴールに入った。
無駄の無い綺麗な動き。
美しかった。
一瞬静まり返った後、体育館は拍手に包まれる。
「…さすがね!次は…青峰君!」
「うっす。」
指名され前に出る青峰大輝。
おお…!
目つきが怖くない。
むしろ可愛い…。
しかしデカイ…あいつ(緑間)もあいつ(紫原)もデカイ…。本当に中学生かよ…。
それに対して赤司は………。
緑間や紫原の隣に立っている160cmくらいしかないであろう彼の姿に思わず笑そうになってしまった。
ギロッーーー
一生懸命笑いを堪えていると160cmの赤髪に睨まれた。
そして口がゆっくりと動く。
『 あ 、と、で、ね 。』
確かにそう言った。
にっこり笑いながら。
見てない!
今のは幻覚!
頭をぶんぶん振ってから顔を上げる。
それと同時に青峰は凄まじい音を立てながらダンクを決めた。
体育館に再び拍手がおこった。