第15章 15Qー現実逃避
先生が出て行った扉から母に視線を移すと、またお菓子を食べ始めていた。
…全く気が抜ける。
そういえば先生、この大量のベッドに置かれたお菓子みて驚いてたな…。
先ほどの先生と看護師さんの間抜けな顔を思い出しながら、食べ掛けのドーナッツを一口かじる。
「3日ぶりのお菓子はどう?」
ふふっと笑いながらさらっと聞き逃し難いことを口にした母。
「…みっ…か?」
「そう、3日。」
3日間寝てたって…
てっきり倒れたのは昨日のことだと思っていた。
あぁ……
ジャンプ買いそびれたし、あのドラマ録画してないし。
それに折角1軍入れたのにいきなり倒れるって…。
3日も休んだら虹村さんの怒りやばいんじゃ…。
般若のような主将の顔を思い浮かべ頭を抱える。