第14章 14QーNo.1の力を見せましょう
「…以上だ。」
私が色々と思い返している間に、3軍の人たちの名前まで読み終わった監督が資料から私たちへと視線を移す。
「抗議は受け付けない。
文句があるならプレーで示せ。」
全国レベルのチームは監督も言うことが違うなと思う。
周りをちらっと見渡すと、首を下げている子がちらほらと見受けられた。
練習合間の休憩時、小学校のときから帝光中バスケ部に入るのが夢だった、と言っていた子もいた。
中途半端な気持ちでここにいる人間はまず居ないだろう。
それなのに3軍だったりしたら、初っ端とはいえ暗い気持ちになるのも当たり前だ。
そんな皆の気持ちを思うとこっちまで辛くなってくる…。
…ん?
私ってこんなに厚情だったっけ?
ふとそんな疑問が頭に浮かぶ。
あちらの世界で高校三年生になってから、私は他人に干渉しないようになった。
しかし今ではどうだ。
共に練習をしてきた仲間たちともっと一緒にバスケをしたいと願う自分がいる。
すっかり『黒子のバスケ』色に染まってきている自分に苦笑しながらも熱血な自分も悪くないかなと、そんな気持ち悪いことを思ってしまった。