第14章 14QーNo.1の力を見せましょう
黄瀬と紫原は同じクラスだと聞いていたので、もしもの時のために、さっき教室を出る前このお菓子をブレザーのポケットに忍ばせておいた。
やはり持ってきて正解だった。
そんなことを思いながら、満足そうにレモン牛乳味のチューイングキャンディーを食べている紫原を見上げる。
黄瀬はまだことが理解出来ていないようで、口をパクパクさせている。
私は、そんな混沌とした状況を抜け出し早歩きで自分の教室へ戻るため踵を返す。
たまにはこっちに来るのも新鮮味があっていいな。
後ろで黄瀬が慌てて私の名前を呼ぶ声がしたが、聞こえないふりをしておいた。