第14章 14QーNo.1の力を見せましょう
やっと着いた…!
わーわーと騒がしい音が聞こえる。
教室の扉に近づき、教室を覗き込む。
そして目立つ髪色の男を探していると、扉の近くの席に座っていた男の子が「あっ。」という顔をした。
「…黒子さん!
誰かに用か?」
何でこの子は私の名を知っているのかと不思議に思いながらも、自分の目的を伝える。
「黄瀬涼太呼んでくれる?」
窓際で机に伏せている金髪を指差しながら言うと、その男の子はオッケーと返事をし、黄瀬を呼んでくれた。
「おい黄瀬!黒子さんが呼んでんぞ!」
その声を聞き、バッと顔を上げこちらを向いたかと思ったら、急いで席を立ち上がり、「名前っちーーーーーーー!」と大声を出しながらダッシュで私のもとへ走ってきた黄瀬。
そのまま私に突っ込みそうな勢いの黄瀬を両手で止める。
そして手に持っていた袋を差し出した。
「…はいこれお弁当。」
「!
忘れてたッス!」
黄瀬は少し照れたように頭を掻きながら「ありがとう!」と笑顔で言った。
「どういたしまして。」
そう言い、黄瀬に止められる前に早く帰るため後ろを向く。
すると、何かに思いっきり鼻をぶつけた。
こんなとこに壁あったっけ…。
そんなことを思いながら鼻を抑え一歩後ろに下がり、衝突した何かを見上げる。